大好きなゲーム作者の方の話をします。
2019年のことです。第11回ウディコンに「ひたすらドラゴンを倒すだけ」というゲームがエントリーしていました。
サムネイルからすると、ゲーム作成に不慣れな作者さんが基本システムを使って一生懸命作ったという雰囲気のゲームでした。致命的なバグとか残されていてもおかしくない感じの。
「しかし、サムネイルから受ける印象と違って、実際は構成のしっかりした、よくできたゲームである」という評判を聞いて、興味を惹かれてプレイしてみました。そして実際、とても面白いゲームであることがわかりました。
このゲームを作られたのは渡辺さんという方でした。私はゲーム本編と同じくらい、この渡辺さんがすごく好きになりました。全部の会話にエクスクラメーションマークがついているような怒涛の勢い。なのに全然しつこくない、爽やかで丁寧な対応。
例えば「ひたすらドラゴンを倒すだけ」のゲーム説明文には
「はじめてマップRPG作りました!!!!!よろしくおねがいします!!!」と書かれています。エクスクラメーションマーク何個重ねるの。元気を持て余してるの?
更新履歴すらこの調子で主張が激しいので笑ってしまう。バグや感想を報告する掲示板でのやりとりもずっとこの感じです。彼の発言を見てるだけでなんだかこちらが元気になってくるような素敵な方でした。口調が面白いだけでなく、発言の端々に誠意があふれていて実は丁寧な応答をしていて、その様子がすごく好ましかったのです。
当時、彼はツイッターのアカウントを持っていて、積極的に発信していました。私はツイッターを稼働させていなかったので、RTもいいねも、もちろん返信などもしたことがなく、こっそり覗き見ているだけでしたが、覗くたびにくすっと笑ってしまうような面白発言が多かったと思います。
そのツイッターアカウントは、確かウディコンの期間限定だと明かされていました。ウディコンが終わった後、コメント返しなどもツイッター上でしていましたが、宣言通り、ウディコンが終わってしばらくすると、アカウントは消えていました。
消す前、ツイッターアカウント残そうか迷っている感じのツイートを見ていたので、消さないんじゃないかと淡い期待を抱いていましたが、その期待は打ち砕かれました。
もうあのアカウントは見れないんだ、と思うと寂しい気持ちになったものでした。
ところで、「ひたすらドラゴンを倒すだけ」には実績機能がありました。
実績を全部集めると秘密のテキストが出力されるのです。
そして、画面にはこんなメッセージが表示されました。
きっと作品を作るのが間に合わなかったのでしょう。少しだけ残念でしたが、でも、まあウディコンは来年もあるし。いつかのウディコンでまた彼の名前を見れるかもしれない。見れたらいいな。そんな風に考えていました。
シリンダーを回してパラグラフを移動するのが楽しい。漢字魔法を使うギミックも洒落てて素敵。何よりその文章に惹きこまれました。ストーリーを追うのが楽しい。
私は普段、クリアするまではプレイしたゲームの感想をツイートしないようにしています。でも「君はヒの魔法使い」に関しては、プレイし始めてすぐに「このゲーム面白いよ!!」てツイートしました。それくらい好みだったのです。
しばらくゲームを読み進めて行った時、あるパラグラフに行き当たりました。
作中で本がもらえるのですけれど、その本のタイトルがなんと「ひたすらドラゴンを倒すだけ」なのです。
そして続くパラグラフが。
パラグラフタイトル「ひたすらドラゴンを倒すだけ」え!?「ひたすらドラゴンを倒すだけ」の作者渡辺さんは、「君はヒの魔法使い」の作者うどんのたまごさんなの??
え?作風全然違うよ?
え?え?
という混乱と。
私はすぐに、去年手に入れた「40.txt」のファイルをコピーして、フォルダに投入してみました。
そしてそこで見られた文章は、なんとなんと、私の大好きな渡辺さんからの直々のお言葉だったのです。
しかし、その後、この二作品が同一作者の方の手によるもの、という事実がわりと周知になってきたので、この前のクリエイターズ文化祭で直々に許可をいただき、こうしてブログに書いてみました。
両作品ともウディコンでの公開時からバージョンアップされてますので既プレイの方も未プレイの方も是非。
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